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尿路結石 urinary tract stone

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結石のある場所で名前が変わります

結石のある場所で名前が変わります

尿路とは、体内で作られた尿が通る道のことを言い、腎臓、尿管、膀胱、尿道から構成されています。結石は、尿に含まれるシュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム、尿酸などが過飽和状態になって結晶化したもので、腎臓で作られます。結石のある場所で呼び方が変わり、腎臓にあれば「腎結石」、その他「尿管結石」「膀胱結石」「尿道結石」となります。

一般的に、腎臓にあるうちは痛みを感じないため、検診などで偶然発見されない限りは無症状で経過します。結石が尿管に落ちてきたときに感じる激しい痛みや、目で見てわかる血尿で、あわてて受診される方がほとんどです。

尿路結石のリスク要因

結石ができる原因ははっきりとはわかっていませんが、生活習慣が大きく関わっていると言われています。また、病気が原因で結石ができることもあります。

生活習慣に関わるリスク
  • 運動不足
  • 動物性たんぱく質や脂質の摂りすぎ
  • 糖分・塩分の摂りすぎ
  • 抹茶や緑茶、コーヒー、紅茶をよく飲む
  • 肥満傾向
  • 水分摂取量が少ない
  • 夕食から就寝までが短い など
病気に関わるリスク
  • 長期間の入院や寝たきりなどで尿が停滞している
  • ステロイド治療を受けている
  • 前立腺肥大症や尿管狭窄などの尿路疾患がある
  • 骨粗鬆症
  • 脂質異常症
  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など) など

尿路結石の症状

尿路結石の中でも、特に尿管結石は激しい痛みと見てわかる血尿が特徴で、安静にしても痛みが治まらないことがほとんどです。身体が結石を体外に出そうとするので、移動によって痛みの強さが変わる場合もあります。

  • 血尿
  • 脇腹や下腹部、腰の激しい痛み
  • 背中の違和感や痛み
  • 吐き気・嘔吐
  • 冷や汗
  • 顔面蒼白 など

尿路結石の治療

1cm未満の結石

基本的に、自然に排出されるのを待ちます。結石による痛みをおさえる薬の服用に加え、尿の量を増やすために水分をしっかり取ることも有効です。
約70%が自然排石されると言われており、体への負担が少ない治療方法です。
アルコールを飲む、逆立ちをするなどといった方法は効果がなく、特にビールはプリン体が多いことや脱水になりやすいことから、結石の再発を招く原因にもなります。

1cm以上の結石

サイズが大きいものや、1cm以下でもなかなか自然排石されないものであれば、手術を検討します。開腹手術を行うことはほとんどなく、体外から結石を細かく破砕するか、内視鏡で破砕・除去します。

「痛みを止めて終わり」ではありません

尿路結石など、痛みが治まってしまえば終わりに感じますが、実は再発しやすく食事療法などの対策がとても重要です。尿の成分をチェックしながら、生活習慣を含めたアドバイスを丁寧に行い、一緒に改善を図ります。

 

再発に注意!「喉元過ぎれば熱さを忘れる」では、いけません

尿路結石は再発率が高く、何も対策しなければ5年以内に45%が再発するという報告もあります。つらい痛みをもう一度味わうことのないよう、治療をして終わりではなく、再発防止に努めましょう。

水分をしっかり摂る

1日に1.5~2Lは水分を摂るようにするだけで、再発の可能性が大きく低下すると言われています。カフェインや糖分を含まない水・麦茶、カルシウムを含む牛乳などを選びます。アルコールは「水分」とは言わず、特にビールは尿酸濃度を高めるため、控えましょう。

シュウ酸やプリン体を控え、バランスのよい食事を心がける

バランスのよい食事に気をつけることは、尿路結石だけでなく、健康な身体を維持するために大切です。
特に、結石のほとんどは、シュウ酸カルシウムが結晶化したものなので、シュウ酸が多く含まれる食品に注意が必要です。カルシウム不足が結石の原因になるため、以下のような食品の摂りすぎに注意し、牛乳や豆腐、小魚などと一緒に摂ることがポイントです。

シュウ酸を多く含む食品
  • コーヒー
  • 紅茶
  • 緑茶
  • チョコレート
  • ほうれん草
  • ナッツ など

また、プリン体の過剰摂取も、結石が作られる原因になります。尿路結石を経験された方は、以下のような食品はなるべく控えるようにしましょう。

プリン体を多く含む食品
  • レバー
  • イワシ・アジなどの青魚
  • 牛の脂身・豚バラ肉などの肉類
  • ビール・焼酎 など