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膀胱炎は女性に多い疾患です
膀胱には、尿をためる「蓄尿」とたまった尿を出す「排尿」の機能があり、膀胱の内側にある粘膜に炎症を起こした状態が「膀胱炎」です。
女性は男性に比べて尿道が短いため細菌が入りやすく、膀胱炎にかかりやすいと言われています。特に20~30代の発症が多く見られます。
再発を繰り返しやすく、深刻な疾患につながる場合もあるため、しっかりと治すことが大切です。
膀胱炎の症状
頻尿
排尿回数が増えることが、膀胱炎の大きな特徴です。症状が強いときは数十分の間隔でトイレに立つこともあります。1回に出る尿の量は少なく、残っている感じがしてトイレから出られないという場合もあり、日常生活に影響を及ぼします。
排尿痛
炎症を起こした膀胱が排尿によって刺激されるため、下腹部や尿道口に痛みを伴います。特に排尿の最後にツンとしみるような強い痛みを感じる場合は、急性膀胱炎の可能性があります。
尿のにごり
細菌と戦った白血球や、はがれた粘膜などが尿に混じるため、にごった尿が見られることがあります。ドロッとした膿のようなものが混じったり、においがきつかったりという場合も多いです。
血尿
細菌で粘膜が傷つき、目で見てわかる血尿が出ることもあります。濃さは一定ではなく、排尿の最後に濃い血尿が出る場合がほとんどです。
膀胱炎の種類と治療
急性膀胱炎
細菌感染によって起こる膀胱炎で、大半が大腸菌によるものです。頻尿や残尿感、排尿最後の強い痛みがある場合は、「急性膀胱炎」を疑います。
治療には、抗生物質の服用が有効ですが、薬剤耐性菌が増加しているため、尿培養検査をする場合もあります。数日で症状は治まりますが、再発を防ぐためにもご自身で判断して服薬を中止しないようにしましょう。
慢性膀胱炎
急性膀胱炎を何度も繰り返していると、「慢性膀胱炎」に移行することがあります。また、前立腺肥大症や尿路結石などの疾患、抗がん剤などの影響で起こっている場合もあります。慢性化すると自覚症状がほとんどないため、少しの違和感でも受診をしたほうがよいでしょう。
細菌感染の場合は抗生物質による治療、原因疾患がある場合はその治療を行います。
間質性膀胱炎
膀胱の粘膜の内側に炎症が起き、筋肉が萎縮する病気です。膀胱に尿がたまると激しく痛み、排尿すると痛みが落ち着きます。頻尿や尿意切迫感が見られることもあります。
原因がよくわかっていないため、薬物療法や生活習慣の見直しによって症状改善を図ります。膀胱に尿をためるトレーニングで改善することもあります。
放射線性膀胱炎
がんの治療に使用する放射線の副作用として膀胱炎が起こる場合があります。前立腺や膀胱、直腸、子宮などの腫瘍に対する治療後や、治療から数年経って症状が出るケースもあります。
頻尿や排尿痛のほか、ひどい血尿が見られることもあり、手術歴や症状を加味しながら治療方法を検討します。
出血性膀胱炎
ウイルス感染や細菌感染、アレルギー性の炎症、抗がん剤などにより、出血を伴って発症する膀胱炎です。大半はアデノウイルスによる感染で、子どもに多く見られます。頻尿や残尿感をうまく伝えられないため、注意して観察することが大切です。
原因の除去や水分を取って安静にすることで、自然治癒することがほとんどです。
膀胱炎の予防のために
膀胱炎を防ぐためには、菌を入れない・増やさない、抵抗力を落とさないことが大切です。
女性は特に膀胱炎を繰り返すことが多いので、以下のような点に気をつけましょう。
- トイレを我慢せず、尿と一緒に菌を出す
- 生理用ナプキンやおりものシートをこまめに変え、陰部を清潔に保つ
(洗いすぎはかえって炎症の原因になるので注意) - ストレスを減らし、過度なダイエットは控える
- 下半身を冷やさない など