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陰嚢とは
男性ホルモンと精子をつくる役割を担うのが「精巣」で、この精巣を包む袋を「陰嚢」と言います。陰嚢は、睾丸や金玉と呼ばれる部分です。
男性にとって大変デリケートな部位であり、痛みや違和感があっても相談しにくい方が多いです。しかし、早急な手術が必要になる可能性もあるため、異常に気づいたらすぐに受診するようにしましょう。
陰嚢の痛みが見られる主な病気
精巣捻転
非常に怖い病気として知られているのが、精巣捻転です。思春期前後の10代男性に多く、寝ているときに発症するケースが多いです。
精巣の血管と精管がねじれて血流が行き渡らなくなり、激しい痛みや吐き気、腹痛などが見られます。血液が送られないと、精巣が壊死してしまうため、捻転が起こってから6時間以内に手術が必要です。
自然にねじれが戻り、痛みがなくなる場合もありますが、再発の可能性が高いため、必ず受診しましょう。
また、うまく伝えられない年少児は見落とされてしまうことがあるため、注意が必要です。
精巣上体炎
精子の通り道である精巣上体が感染を起こす病気を、精巣上体炎と言います。尿道から入った細菌が感染し、陰嚢の痛みや発熱などの症状が現れます。こぶし大ほどに腫れあがる場合や、 硬いしこりができる方もいます。
安静にして、服薬や点滴による治療を行います。治療とともに痛みや腫れが改善し、元の大きさに戻るのでご安心ください。
精索静脈瘤
精索静脈瘤は、血液が逆流して精巣にコブができる病気です。左の陰嚢にできる傾向があり、精子が作られなくなってしまうため、男性不妊の原因の40%を占めると言われています。
痛みや違和感は服薬によって軽減できますが、コブ自体の治療には、手術が必要です。
精巣腫瘍
精巣腫瘍とは、精巣にできる悪性の腫瘍のことです。自覚症状がほとんどなく、進行して肺やリンパ節に転移してしまうこともあります。
しこりや腫れがサインになるので、普段から自身で精巣に触れてチェックしておくと、早期発見につながります。
陰嚢水腫
精巣の外にリンパ液がたまり、陰嚢が腫れる病気を「陰嚢水腫」と言います。40歳以上の男性に多く見られますが、痛みがなく悪性の病気ではありません。しかし、リンパ液の量が多くなるとズボンを履いていても目立ったり、歩きにくくなったりする場合があるので、手術を検討します。
子どもの陰嚢水腫
生まれたばかりの男の子の赤ちゃんには、比較的多くの陰嚢水腫が見られます。おなかとつながっている部分が閉じておらず、水分が陰嚢に降りてきている状態で、成長とともに消失します。しかし、鼠経ヘルニアになったり、3歳を過ぎても消失しなかったりする場合は手術が必要です。