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- ドクターズインタビュー
影響を受けたのは父
父の思いを受け継ぎ、開業を決めました
医師を目指したきっかけは?
医師だった父の背中が参考になった部分は大きいと思います。しかし、実は父には医師になることを止められていたのです。本心では望んでいたのでしょうが、何度も「本当にそれでいいのか?」と聞かれ…大変な面も知っている分、私にプレッシャーをかけないようにしてくれていたのかもしれませんね。
ちなみに、子どもの頃にはパイロットや電車の運転士に憧れたときもありました。結局、私も弟も医師の道を歩むことになり、父がとても喜んでくれたことを覚えています。
泌尿器科を選んだのはなぜ?
出身大学で臨床研修を受けていたときに、内科・外科・救命救急・麻酔科と回った後、「次に興味のある科はどこだろう?」と考えて、学生時代の印象がよかった泌尿器科が浮かびました。現在は退官されていますが、当時の教授をひと言で表すと「ジェントルマン」。医師の世界はどうしても上下関係が厳しいところがありますが、教授には比較的フラットに話ができるような雰囲気があり、珍しい方だなと学生時代から感じていました。
そこで泌尿器科に行ってみたところ、診断も治療も一気通貫でできることに魅力を感じました。診断を行い、手術でしっかりと治療効果を出し、患者さまの社会復帰につなげるという流れが、すべて自分の手で賄える。トータルでケアできるところに惹かれ、泌尿器科を選びました。
川崎市宮前区での開業を決めた理由は?
元々、外科医だった父が50年以上開業していたのが、この場所です。父が亡くなった時に、一度は売却も考えましたが、開業するにはとても良い場所ですし、「せっかく良い場所を受け継げる立場なのだから」と思い、現在の場所での開業を決めました。
また、勤務医として病院で診察している中で、いわゆる“町のお医者さん”が対応してくれれば患者さまも助かるだろうにと感じていました。当時は泌尿器科が少なかったので、病院で治療する前の診断も、治療後のケアも、お願いできるところがなかったのです。
父から受け継いだ場所があり、良いチャンスにも恵まれたので、思いきって開業することを決めました。
病院は高度な医療を提供する場として重要ですが、すべての患者さまが病院を受診できるわけではありません。地域のクリニックは、そうした患者さまの受け皿として非常に重要です。
そうして地域医療を受ける患者さまが決して“損”をしないように、専門的な泌尿器科診療が提供できるクリニックを作りたいと思っていました。
がん検査やクリニックの環境整備を心がけ
地域の中で患者さまのために尽力しています
クリニックのコンセプトは?
まずは、クリニックの外観と内装にこだわりました。
どうしても「泌尿器科=性病科」と思われている方が多いので、入りづらくなってしまわないよう、いい意味で「泌尿器科らしくない」をコンセプトにしています。
診療に関しては、話を聞くことが第一です。誰にでも起こりえる泌尿器のお悩みは、決して恥ずかしいことではないので、しっかりとお話を聞き、なるべく難しい言葉は使わずご説明し、改善方法をご提案することが大事な役割だと考えています。
力を入れている診療は?
現在、2人に1人ががんになると言われるような時代になっています。自分ががんだと気づいていない方も多く「がんの可能性が高いから検査を受けてください」とお伝えすることが、大きな意味を持つと考えています。
特に日本人男性で一番多いとされている前立腺がんは、初期症状がほとんどないので、ぜひ積極的にPSA検査を受けてほしいです。また膀胱がんや腎がんをはじめとした泌尿器疾患は、血液検査やエコー、CTなどを使って早期発見が可能です。とにかく、まずは検査を受けていただくことが重要だと思っており、注意喚起や啓蒙も含めて、今後も尽力していきたいです。
地域医療との連携については?
がんの疑いがあるとわかった場合は、すみやかに連携する医療機関にご紹介しています。「餅は餅屋に」が私のモットーです。泌尿器疾患だけでなく、内科に関わることも、これまでの関係性や経験で「この人なら安心だ」と思える紹介先があちこちにあります。
一人でできないことはたくさんあるので、地域の医療機関と連携しながら、患者さまに最適な治療をご提案できるよう努めています。
「もっと早く来ればよかった」の声が多数
症状は放置せず、早めにご相談を
受診をためらう患者さまに伝えたいことは?
「まずはご来院ください」のひと言に尽きます。泌尿器科はどうしても敷居が高いと思われがちですが、患者さまの中には「こんなに早く治るなら、もっと早く来ておけばよかった」とおっしゃる方も多いです。
例えば尿失禁に関して、最近はCMなどもよく見かけるので、尿パッドに頼るだけになっている方もいらっしゃいます。しかし、色々な治療方法があり、改善を図れる病気です。どうしても言いにくい場合は、女性のドクターが診察にあたるので、ご安心ください。
また、男性では残尿感を訴える方が多いですが、量を調べてみると実は膀胱には尿が残っていないという場合もよくあります。負担の少ない超音波検査で簡単に調べることができるので、悩んでいるならご相談いただければと思います。
ホームページをご覧の方にメッセージをお願いします
頻尿や尿失禁など、泌尿器の疾患は症状として現れるものが多くあります。しかし、言わなければ誰にもわかりません。一人で悩んでいる間に症状が進行してしまうこともあるのです。
「年齢のせい」「恥ずかしい」とあきらめず、まずはお気軽に当クリニックまでご相談ください。丁寧にお話をおうかがいしますので、最善の解決策を一緒に考えていきましょう。